2018年度安全講習会(搬入作業)を実施しました。
細かい打ち合わせのもと講習を行っていきます。
安全講習会で券売機搬入作業の講習を行いました。
丸三では、駅の券売機の搬入、設置業務のご依頼を頂きます。
駅によっては経路が狭かったり、段差があったり、様々な場所があり輸送方法も設置方法も毎回異なる為、
多種多様な手法が求められます。
券売機はかなり重く、わずかな段差でも人力で持ち上げられるものではありません。
運搬時にも転倒の可能性があるため二人以上で作業を行います。
安全に機器を搬入、設置することはもちろんですが、今回は従業員に券売機の特性、重量、運搬方法や
台車の種類などを把握してもらい、技術を習得してもらうことが目的です。
●券売機
●左から「十字台車」、「T字台車」、「通常台車」
荷物によって使い分けます。※転倒のリスクを抑える為
(台車に乗せる際の手順)
券売機を台車へ乗せる際は後方に傾けて、前方(接客面側)より台車をさし入れます。
今回は3種類の台車を使用し、券売機のレグボルト(券売機の足のボルト)の高さは5cmに固定し、
券売機をどれくらい後方に傾ければ台車をさし入れることが可能かを検証しました。
(実際には正確な角度を測っています。)
●通常台車の場合(台車を差し込む際にかなりの傾きが必要になり倒れてしまいます。)
※大人三人がかりでも精いっぱいの重さです。
●十字台車の場合(通常台車に比べて大分傾ける角度が緩くなります。)
※先ほどとは異なり、一人でも余裕があるほどです。
●T字台車の場合(十字台車と角度の違いはありません。)
※十字台車とT字台車の違いは下記(実証)の項目にて記載してあります。
台車の種類によっては、かなり券売機を傾けないと台車が入りにくいのですが、後部レグボルト(券売機の足のボルト)の下をゴムで受けることにより後方へ傾ける角度が緩やかになります。
●ゴム受けをすることにより、傾ける際の転倒、レグボルトの滑りのリスクも減らすことができます。
●ゴム受けした分、台車をさし入れる際の傾斜を緩やかにすることができました。
(実証)
台車に乗せた状態で走行させ凸凹道やスロープ走行時の安定感を検証します。
↑●T字台車の場合
取り回しも良く安定していますが、台車の形状がT字のため背面側の受けが無く、
接客面を持ち上げると背面側にかしぎやすいです。
作業員は上記の点を理解しておく必要性があります。
↑●十字台車の場合
T字では不安のあった後方への倒れこみが解消されています。
台車の全面と左右にキャスターがせり出ているので、走行時、転回時ともに安定感がありますが
キャスターが3列並んでいるのでわずかな段差でも3回乗り越える必要が出てきます。
搬入場所によっては段差が多く、スロープを作る十分なスペースが確保できない場合もあります。
そのような場合は、通路上にゴムや木材などで段差と同じ高さを稼いで段差上への道を作ります。
券売機本体が通る道を作成し床引きバンド等を使用して道の上を滑らせて段差上まで進行させます。
①設置場所の確認
②設置場所の直線上に券売機を配置
③段差上への通路作成し、台車を抜く
④床引きバンド等にて段差上へ移動
実際の設置場所には設置枠があり、ミリ単位の調整を行いながら設置を行います。
①床引きバンドにて枠の近くまで移動します。
②レグボルト4か所に小さな鉄板を敷き滑りやすくし、テコ棒を使い微調整を行います。
③接客面の作業者が後方の作業員へ指示を出して設置の微調整を行います。
④指示を出す接客面側の作業員は、背面側の作業者へ明確に設置位置の情報を伝えてあげる必要があります。
今回の講習では以下の点を重視しました。
・台車の特徴、差し込み方
・段差がある際の設置場所への進行のさせ方
・枠への挿入、テコ棒での微調整
・設置の際、接客面からの指示の出し方
今回は細部の紹介になりましたが、有意義な講習を行うことができました。
駅ごとに異なる搬入経路で「どう運べば安全か」を検討する為に
・どのようにリスクを減らせるか
・荷の動き方、またはその反応
・どこからが転倒するのか(支点の確認)
・危ないのであればどうすべきか(対策をどうたてるか)
上記を自ら考え常に意識し、今後の作業に生かし、事故の無い未来の創造に努めます。