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精密機器の引越し!個人から企業の引越しまで徹底解説│精密機器や重量物等の貨物運送、据付。株式会社丸三

精密機器の引越し!個人から企業の引越しまで徹底解説

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精密機器の引越し!個人から企業の引越しまで徹底解説

精密機器を含めた引越しを行う場合は、通常の家財道具だけの移転とは異なる専門性と細心の注意が求められます。医療機器、研究用機器、工作機械、IT機器、計測器など、これらは高価であるだけでなく、わずかな衝撃や環境変化でも深刻な損傷を受ける可能性があります。家庭にあるような身近なものでは、パソコンやプリンター、カメラ、望遠鏡なども精密機器にあたります。
そこで今回は、個人の引越しから企業の移転まで、精密機器を安全に移転させるための包括的な知識とノウハウをお伝えします。

【精密機器の種類と特徴】

精密機器は用途や構造によってさまざまな種類に分類されます。医療分野では超音波診断装置、内視鏡システムなど、研究・開発分野では電子顕微鏡、質量分析計、X線回折装置など、製造業ではNC工作機械や三次元測定機など、IT関連ではサーバー、ネットワーク機器、大型プリンターなどが該当します。精度の高い測定や分析、加工を行うため、環境条件に極めて敏感です。
家庭にあるパソコンやプリンター、カメラ、望遠鏡なども精密機器にあたり、取り扱いには十分な注意が必要です。

【引越しの際に精密機器を守る梱包と保護対策】

精密機器の梱包では、衝撃、振動、温度変化、湿度変化、静電気などから機器を守る必要があります。
この章では業者が行う対策と個人で行える対策に分けてご紹介します。

<業者が行う専門対策>

・梱包ケースの工夫
専門業者は精密機器に合わせて、木や金属でできた運搬用ケースを作って提供します。これらのケースには衝撃を吸収する部品が付いていて、精密機器用の環境管理システムで温度と湿度をコントロールします。さらに、振動を吸収する台や防震材料を使って、運ぶときの揺れから機械を守ります。

・重い機械や大きな設備への対策
フォークリフトやクレーンで機械を動かす際、業者は安全な持ち上げ場所を決めて印をつけ、重さのバランスを考えて安全に運びます。また、特別な機械を使うことで、階段や狭い場所でも安全に運び出すことができます。

・より特殊な精密機器を取り扱う際の工夫
機械を分解し、組み立てるための複雑な梱包作業を行う場合もあります。真空パックや特殊ガスを使った高度な保護技術により、運搬中の温度・湿度を記録装置で監視したり、機械ごとの梱包手順書を作って継続的に管理したりと、業者ならではの対策が期待できます。

<個人で行える基本対策>

・基本的な保護材を用いた梱包作業
まず静電気防止シートや帯電防止袋で機器全体を包装します。その上から気泡緩衝材を用いて多重保護を施し、発泡スチロールやウレタンフォームで隙間を埋めます。最終的に段ボール箱による外装保護を行い、機器を外部衝撃から守ります。

・温度と湿度対策
シリカゲルなどの除湿剤を同梱し、密閉性の高い防湿袋で包装することにより湿度変化から機器を保護し、結露防止のために断熱材を使用します。これらの対策により、温度や湿度の変化による機器への影響を最小限に抑えます。

・表示貼付
「精密機器」「天地無用」「取扱注意」「割れ物注意」などの表示を複数面に貼付します。開封手順や注意事項を記載し、連絡先情報を明記することで、取り扱い者全員が適切な注意を払えるようにします。

・小型機器や部品の保護
個別に緩衝材による包装を行い、小分け用の仕切り材を設置します。部品が動かないよう箱内でしっかりと固定し、部品リストを作成して同梱することで、開梱時の確認作業を円滑に行えるようにします。

<共通の対策>

・十分に輸送(引越し)計画を立てる
精密機器の引越しを成功させるためには、綿密な事前準備が不可欠です。まず、機器の詳細な仕様書やマニュアルを確認し、メーカーが推奨する移転方法や注意事項を把握します。機器の重量、寸法、電源要件、環境条件(温度、湿度、振動制限など)を正しく確認し、それをもとに移転計画を練りましょう。
また、輸送ルートと輸送方法を慎重に検討します。気象条件や季節要因を考慮し、開梱場所と設備について事前確認を行うことが重要です。

・設置状況の確認と記録
現在の設置状況を詳細に確認します。配線の接続状態、周辺機器との関係、動作設定などを写真撮影し、文書化しておきましょう。これにより、移転先での復旧作業を円滑に進められます。また、取り外せる配線はすべて取り外します。ここで手間を惜しんでそのままにしておくと、精密機器と配線の結合部分が傷んでしまう恐れがあります。写真だけでなく、取り外した配線がどの機器のものなのか分かるようにラベルをつけておくと安心です。
精密機器の保証期間や保守契約の内容を確認し、移転作業が保証に影響しないかもチェックしましょう。チェックリストの作成も重要なポイントです。このリストを使って作業確認を徹底し、最終確認での漏れ防止に努めることで、精密機器の安全な輸送を実現できます。

【自分で梱包?専門業者に依頼?引越し時の選択基準】

機器重量が50kg以上の場合や、機器価格が100万円以上の高価な機器である場合には、専門業者への依頼を検討したほうがよいでしょう。また、特殊な環境制御が必要な機器や、分解・組み立てが必要な複雑な機器についても、専門業者の専門技術が不可欠となります。長距離輸送や海外輸送、確実な保険・補償が必要な場合も、専門業者の対応が適切です。こうした精密機器を運ぶ際には、専門業者の利用を検討しましょう。

一方、個人対応が可能なのは機器重量が50kg未満の比較的小型の機器や、短距離・近距離の移動の場合です。一般的な精密機器で、基本的な環境保護で十分な場合やコストを優先したい場合、緊急性がある場合には、個人での対応も有効です。

【一般的な引越し業者へパソコンなどの精密機器輸送を依頼する場合の注意点】

精密機器輸送の専門業者に依頼しない場合、引越し業者に輸送や一部梱包依頼をすることになります。個人の引越しで特に輸送することが多いパソコンの取り扱いを中心に、引越し業者に引越し作業を依頼するときの注意点をご紹介します。

※ノートパソコンなどのデータの入った持ち運び可能な精密機器については、貴重品と同等の取り扱いとなり、輸送してもらえないケースも多いです。

・データバックアップを取る
輸送に対応している引越し業者に依頼する場合に重要なのは、データのバックアップを取ることです。外部破損は保証されても、データの破損は保証してもらえないことが多いため、大切なデータは事前に別の場所に保存しておきましょう。

・丁寧に梱包する
購入時の箱が残っている場合は再利用しましょう。最適なサイズとなっており、内部にも商品保護に適した梱包材を使用しているケースが多く、安全に輸送できます。処分していた場合は、同じくらいのサイズの箱を用意し、内部で動かないようにクッション材や新聞紙などを敷き詰めます。
その箱をさらに梱包材(タオルや毛布などでも可)で巻いてから段ボールなどに入れ、動かないように隙間を埋めてから封をしましょう。

・精密機器が入っていることを明記
パソコンなどの精密機器が入っていることを記載しておきましょう。その際、目立つように赤い油性ペンで「精密機器」「パソコン」などと記載すると分かりやすくなります。こうすることで、より丁寧に取り扱ってもらえます。

・補償内容を確認、理解した上で利用する
精密機器の場合、外部破損が見受けられない場合の故障は補償対象外となることが多いです。補償内容をしっかり確認し、納得した上でサービスを利用するようにしましょう。

・精密機器のみ専門サービスの利用を検討
専用の梱包資材を用いてパソコンやプリンター、デジカメなどを単品で送るのに適したサービスも提供されています。特に高価な機器については、こうした専門サービスの利用も検討しましょう。

【企業の引越し!オフィス移転での特別な配慮】

企業の引越しの代表といえるオフィス等の移転では、業務継続性の確保が最優先課題となります。精密機器の移転スケジュールを綿密に計画し、業務への影響を最小限に抑える必要があります。段階的移転を採用し、重要度の低い機器から順次移転することで、コア業務の継続を図ります。
データの保全も重要です。サーバーやストレージシステムの移転前には、完全なバックアップを作成し、複数の媒体に保存します。ネットワーク機器の移転では、設定情報を詳細に記録し、迅速な復旧を可能にします。さらに、移転期間中に使用できる代替手段を確保し、業務への影響を抑えます。クラウドサービスや外部データセンターの活用も有効です。
従業員への周知も欠かせません。移転スケジュールや作業内容、注意事項を事前に伝達し、協力体制を整えましょう。機器の操作に関わる担当者は、移転作業に立ち会い、専門的な知識を提供できるようにしておくと安心です。最後に、設置後にも問題なく動作することを確認します。

精密機器の引越しにおいて、コスト管理や保険によるリスク管理も重要です。移転費用は機器の種類、重量、距離、作業の複雑さによって大きく異なります。一般的に、精密機器の移転費用は通常の引越し費用の3倍〜10倍程度になることを想定しておく必要があります。
保険については、機器の購入価格だけでなく、移転中の業務停止による損失も考慮した包括的な補償を検討しましょう。運送保険、設置保険、復旧費用保険など、複数の保険を組み合わせて万一の事態に備えます。メーカー保証への影響についても事前に確認し、必要に応じて保証延長サービスの利用も検討しましょう。

【まとめ】

精密機器の引越しは、専門的な知識と経験、適切な設備と材料、そして細心の注意を要する複雑な作業です。事前準備から移転後の立ち上げまで、各工程で妥協のない品質管理を実施することで、機器の性能を維持し、業務の継続性を確保できます。
個人の引越しであっても企業の移転であっても、精密機器の価値と重要性を理解し、適切な投資を行うことが、最終的にはコスト削減と業務効率向上につながります。専門業者との密接な連携を図り、安全で確実な精密機器を含めた引越しを実現しましょう。

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